自宅でできる！？失敗しないスパイスカレーの作り方・その3「プラスワン・スパイスでさらにリッチなカレー体験を！！」

全三回に分けてお伝えしてきた「自宅でできる！？失敗しないスパイスカレーの作り方」シリーズですが、今回で最終回となります。

>> 第一回：自宅でできる！？失敗しないスパイスカレーの作り方・その1「パウダーブレンド編」
>> 第二回：自宅でできる！？失敗しないスパイスカレーの作り方・その2「ホールスパイス・マジック編」

世の中に存在するカレーの種類はそれこそ無限とも言え、一般的に定義できる「一番美味しいカレー」の答えなど、存在しないと言っても良いでしょう。「至高のカレー」はみなさん一人一人の舌と記憶の中だけにあり、商品の売り文句として使われる「本格」「本場」などの言葉はすでにほぼ意味を成しません。現代におけるカレーのコモディティ化・多様化には驚かされるばかりです。

同様に、カレーそのものやスパイスについて語ろうと試みても、本当にキリがなく、「これが正解！」というものなどありません。
今回ご紹介させて頂いた内容に関しても、あくまで一つのパターンであり、無限にアレンジ可能なプレーンな情報、とご理解頂ければ幸いです。皆さんの普段のカレーライフの中で部分的全体的に活かして頂けるように、完成した全体としての「レシピ」の掲載はあえて避けてあります。その代わりに「何故そうなのか」「どのような効果があるのか」といった周辺知識を細かく書きました。これらの情報を活用して、是非「自分だけの”俺（私）カレー”」を完成させて頂ければと思います。

さてさて、いつものごとく長々と前置きを連ねてしまいましたが、最終回となる今回は、「プラスワン・スパイス」についてお送りしたいと思います。

プラスワン・スパイスとは、これまでご紹介してきた「ベーシックなカレー」に加えることで、様々に風味を変化させることができる簡単便利なスパイス使いのコツのことです。

【プラスワンA：辛味を加える】

実は今回の連載でご紹介しているカレーは、お子様でも食べられるように、辛味の成分をほとんど入れてません。
もしお好みで辛味が欲しい場合は、下記のスパイスを少し足して下さい。タイミングは、カレーを仕上げる直前でOKです。

• ブラックペッパー：ピリッとしたスパイシーな辛味に
• ホワイトペッパー：ブラックペッパーよりもマイルドな、深みのある辛味を演出
• レッドペッパー（チリ、唐辛子）：ホットな辛味に
• カイエンペッパー：さらにHOT！
• ハバネロ：さらにHOT！HOT！（古くてスンマセン・・・）
• ブット・ジョロキア：少量で10辛20辛くらいは突き抜けます！同時に柑橘系の爽やかさも

【プラスワンB：さらに香り高く】

カレーに個性を出したい時の魔法を教えます。
使い方は、最後の煮込み時に少しだけ（小さじ1/2-1程度）加えるだけ！！
個性の強いスパイスなので、入れすぎにはくれぐれも注意して。また、投入後余り煮込み過ぎると香りが飛んでしまいます。

• ガラムマサラ：カレー仕上げのド定番！！
• スターアニス：独特の芳香でコク出しに
• クローブ：大人の味を演出

【プラスワンC：カレーの種類別に】

カレーは万能料理です。肉・魚・野菜・豆等、様々な食材を美味しく仕上げてくれます。
メインの食材別に使用するスパイスをご紹介！

• フェンネル：魚を使ったカレーに（パウダーブレンド時）
• カスリメティ：チキンバターカレー・ほうれん草カレーには欠かせません（仕上げ時）
• カルダモン：万能ですが、マトン等クセのある肉を使う場合には必須。ココナッツカレーにも（パウダーブレンド時）
• ジンジャー・ガーリック：野菜ベースのカレーを作る時には多めに（パウダーブレンド時）
• コリアンダー：豆カレーのメイン・スパイス（パウダーブレンド時）
• タマリンド：酸味の素。チキン・ポークカレーへの相性は抜群（水に溶かして煮込み時）

色々なスパイスを試すことは、まさにクリエイティブな感性を刺激してくれる楽しみであり、上手くいった時は驚きと共に何とも言えない万能感をもたらしてくれるのですが、一歩間違った使い方（主に配合）をしてしまうと、とても食べられない食事が出来上がってしまい、絶望の淵に突き落とされます。ちょっとしたことですが、やはりコツというのはあって、ことスパイスに関しては、そのコツが料理の出来栄えに対して非常に大きなウェイトを占めます。

そういった意味で、今回の連載が、皆様のスパイスライフをより豊かにするための一助となれば幸いです。

ちなみに、以上のスパイスは、もちろん今回の連載で説明したカレーだけでなく、あらゆるカレーに転用できる方法ですので、是非試してみて下さい！！